CEOのコラム

CEOのコラム

千種会グループCEOの岸本敦が、一流の仕事をするために大切な事や心がまえを、随時、時事や想いを交えて書き綴ります。

『年頭所感』に込めて

column of 13.1.4

松の内も明け、また慌ただしい日常が戻ってきました。
年初の挨拶では、伊勢神宮の式年遷宮について触れさせていただきました。
今年はどうやら、伊勢神宮と出雲大社が、いずれも遷宮の年にあたっている珍しい年らしく、私も記事でそのことを知りました。遷宮とは、神様をお祀りする社殿を新しく建て替えることを言います。
伊勢神宮では20年に一度、出雲大社では60年に一度行われています。なぜ、伊勢神宮で20年に一度社殿を新しく建て替えるかについては諸説あり、その中に「技術の伝承」という目的も含まれているそうです。
例えば、10代で見習いを始めた職人さんが、20年経てば30代の棟梁。30代だった棟梁は50代の後見人です。この匠から匠への技の伝承が、技術を綿々と次の世代に伝え、古代をそのまま現代に生かし続けているのです。ギリシャ神殿は2千年以上も前の建造物ですが、今はもう同じものを造れる職人はいないでしょうね。
また、この遷宮には「常若(とこわか)」という精神があり、神様の居場所を常に整え清涼な空気で満たされた場所にするために、これを行うそうです。
「技術の伝承」と「常若」―、何か自分達の仕事にも通じるものがあると感じた今年の始まりでした。