CEOのコラム

CEOのコラム

千種会グループCEOの岸本敦が、一流の仕事をするために大切な事や心がまえを、随時、時事や想いを交えて書き綴ります。

努力の先にあるもの

column of 14.6.5

つい先ほど、ゴルフの試合を終えた。

最終ホールで、痛恨のミス。2打足らずでの予選落ちとなった。

前半は好調だった。このまま最終まで持ちこたえたいという思いも空しく、ボールはOBを目指して舞った。

負けた試合を振り返って反省するたび、「なぜ、こんなに努力してもダメなんだろう」と心が折れそうになる。もちろん今回もそうだ。原因は自分でもわかっている。技術が足りなかったこと、メンタルが持ちこたえられなかったことだ。

今のこの悔しさを次につなげるため、試合が終わった直後はいつも練習に燃える。しかし、これも日が経つにつれ薄れてゆき、ついついおざなりになることもある。

ただ、いつも思うのは、「努力には終わりがない」ということだ。

私の場合はゴルフだが、これはあらゆることに通じているような気がする。

概ねスポーツに通じて言えるのは、単に技術だけではなく、フィジカルやメンタルの調整が大切であるということだ。特にメンタル面は、「ここまでやれば大丈夫」という保証はどこにもない。鍛えたつもりでも、その場になって初めて、自分の弱さを思い知るのである。

「自分は、こんなに苦しいことをなぜ続けているのだろう。」とよく思う。

もちろん、ゴルフは社交の場でもあり、ここで多くのビジネスチャンスを掴むこともできる。また、皆さんにもよくお話するように、私自身はゴルフ場の「レディース アンド ジャントルマンシップ」に基づくエチケットやマナーを学ぶことによって、自分自身の人生や仕事に大いに役立てることが出来ている。

しかしながら私の場合、「競技」としてのゴルフにチャレンジすることによって、余計な苦しみを抱え込んでしまっている。それでは、やめればいいようなものだが、そうもいかない。なぜだろう。

努力が報われて良い成績を残せた試合は、もちろん最高の喜びだ。しかし、思うようにいかなかった試合は、まさにどん底だ。このどん底を味わうたび、「努力ほどアテにならないものはない」と苛立つ。

しかし、今もう一度自分に問いかけてみる。

「本当に、努力はアテにならないのだろうか?」

どんなにベストを尽くしていても、本番にきっちりと照準を合わせることが出来なければ、最高のパフォーマンスは期待できない。プロのアスリートでさえ、本番に自分をベストな状態に持ち込むには、相当な努力を強いられる。

だからこそ、「本番」というゴールに向けて、どのように調整していくかというプランがとても大切になる。

そして、決めたプランに沿って、倦まずたゆまず実行する。

更に本当にこの方向で合っているのかを見直す。また実行する。

私は、この一連の流れを「努力」というのだと思っている。

これを繰り返し、「自分自身はここまでやった」という「自信」、まさに「自分を信じる心」に到達できなければ、メンタルは安定しない。

もしも検討違いなことを行ったなら、それは「徒労」でしかない。

一度うまくいったからといって、次をサボったらそれこそ元の木阿弥である。
努力を積み重ねることしか、自分自身のパフォーマンスを上げる術はないのだと思う。

ただ、上手くいかなかった時にこそ、「ゴールに照準があってない」「決めたプランを実行できていない」など、自分自身の課題を知ることになる。

今回の試合で、また自分の弱点を知った。ただ、それを知らない限り、次の努力には進めない。

そして、そうやって積み重ねた努力の結果が、勝負を制した時にしか見えない景色を見せてくれることも、私は知っている。