CEOのコラム

CEOのコラム

千種会グループCEOの岸本敦が、一流の仕事をするために大切な事や心がまえを、随時、時事や想いを交えて書き綴ります。

高齢者施設の新しい価値を目指して

column of 13.7.4

日本の少子高齢化における高齢期の生活は、すべての国民が必ず直面する課題であり関心事です。高度経済成長を境に家族形態が変化する中、高齢者を取り巻く生活は大きく様変わりしました。そして、いつしか自力で生活することが困難な高齢者は「お世話される側」として生きることを余儀なくされています。

「高齢期を生きる」ことの課題は、今まさに高齢者施設を担う私たちの課題でもあります。

私は、法人の故郷である千種町に最初の施設を開設してから、二十年以上に渡り高齢者施設の経営に携わってきました。 高齢者施設に関わり始めた当初より、たとえ介護が必要になっても、もっと豊かに人生を送ることが出来るのではないかという思いがありました。また、介護の仕事が3Kと呼ばれ、人材の不足に悩まされ続ける中、人材の確保と育成については特に重点課題として取り組んできました。

現在、神戸市東灘区において事業を実施している施設、また計画中の施設は、利用料も他の施設に比べると高額と言わざるを得ず、富裕層のみをターゲットとしているようにも見えなくはありません。

ですが、「施設生活の質の向上」と「介護スタッフの処遇向上」という二つの課題をクリアし、持続可能な施設経営を目指すためには、敢えて高水準の施設に着手することの必要性を感じたのです。

たとえ料金が高くても上質な空間やサービスを好まれる方は確かにいらっしゃいます。そのような、これまでの人生で生活の質にこだわりを持ってこられた方にもご満足いただけるような施設を創ることによって、私たちは本当に心の贅沢につながるサービスとは何かを学ばせていただくことができます。更には、すべてのスタッフが、そこから得られたサービスのスタンダードを身に着けることで、従来型施設にも、そのスタンダードを還元していくことが出来るのです。

施設利用料には、スタッフの生活の保障を越えた自己成長の糧、また更なる高みを目指した崇高なサービスへの資金も含まれていると、私は考えています。

そして、既存のサービスに妥協することなく、たとえ一般からみると高額であっても、それを「リーズナブル」と感じて頂ける中身を目指すことこそが、自らの使命であると考えています。